―電子学術書を活用した大学授業の高度化
大学における学修環境充実と大学図書館を中心とする学術情報基盤の整備は現在、大きな転換点を迎えているが、「教科書」の現状をみると、(1)教科書作成、(2)教科書頒布、(3)教科書活用というそれぞれの局面において、新制大学始まって以来60余年間にわたって大きな変化がないように思われる。つまり大学における教科書のあり方は、大学における教育方法の硬直化を象徴しているのである。
学生は試験時に持ち込み可能とされる教科書を購入し、教員が指定した参考書を実際に図書館で借りて読むことは稀である。また教員がシラバスに参考書を記載したとしても、図書館では例えば3冊まで購入すると規定し、一定の時期に特定の図書に利用が集中する傾向がある。つまり、多くの学生が事前・事後の学修をすることが事実上、できない構造になっているのである。
問題は学生が授業や学習用に最も利用する日本語タイトルの学術書について、ほとんど電子書籍化されていないことにある。
大学の学習環境を充実させるためには次の3点が重要である。
(1)テキストの電子書籍対応
(2)授業の事前・事後学修のためにコンテンツの充実が必要⇒電子学術書の積極的導入
(3)教室では発表・討論を中心に行う「反転授業」の実施
フォーラムは、冒頭、法学・判例についての電子コンテンツ開発に長く携わってこられた有斐閣の鈴木道典常務による講演「電子学術書を活用した大学図書館の役割」を行い、その上に立ってパネル討論を行う。
●鈴木道典氏による事前資料(本ページ添付pdf)
フォーラム前にぜひお目通しください。
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