~図書館が街に出て行く ー特別読書空間(Special Reading Space)~
中国では、近年、経済的な発展を背景として、国や自治体が博物館、美術館、図書館などの充実に取り組み、より文化的な都市の実現が大きな目標となっている。そして文化的な環境を発展・充実させるためには、従来のような図書館施設の建設に加え、人々の生活の中で、さらに多くの本と出会える場が必要と考えられ、新たな読書の場としての特別読書空間(Special Reading Space)の取り組みが近年展開されている。
特別読書空間は従来の公共図書館とは別に、非営利団体・書店や企業が街中に自治体の支援の下で、住民が広く本と親しめる場、小学校での学習のあとに児童が本を借り自由に学べる場などを提供するものだ。
特別読書空間は、従来の公共図書館が利用者を待つだけではなく、図書館が自ら、地域に出ていき、街に図書館サービスを埋め込む「エンベディッド」ライブラリーと言えるかもしれない。