海を越えた日本との交流と今後への期待
国立台湾大学の社会科学部図書館は、森のような図書館というコンセプトでつくられた日本の建築家伊東豊雄さんの作品である。2014年の開館から3年を経た現在も、たくさんの人が見学に訪れている。一方で、日本で生産された自動化書庫の海外輸出第一号を納入したのも台湾大学図書館であり、2018年春に試運転を開始する。これを機会に、使用開始から20年が経ち、スペースが飽和状態になろうとしている総合図書館は、アクティブ・ラーニング及びICT時代の新しいサービスと将来への発展の必要性を満たすべく、スペース改造研究プロジェクトを展開している。これは恐らく台湾で最大の図書館内装改造計画となる。
台湾と日本は親しい隣国ではあるが、戦後の台湾情勢や社会発展の方向のため、台湾の図書館事業における日本との接触は、想像されるほど密なものではなかった。台湾大学の事例及び現在進行中の台日協同公共図書館新築プロジェクトの紹介を通して、両国における図書館運営の経験共有と将来の発展へと繋がることを願っている。