“誰でも読書”を実現する!現状分析から見えた次の一手
図書館流通センターでは、指定管理などで運営を受託している図書館を対象に、「JLA障害者差別解消法ガイドラインを活用した図書館サービスのチェックリスト」に解答する方式で、障害者サービスの実態調査をしました。この調査結果を公表し、図書館を充分に利用できていない障害者や高齢者などの情報弱者に対するサービスについて検討します。
障害者差別解消法が施行されて2年半。図書館界においても、合理的配慮と環境整備は注目されてきました。国立国会図書館は、昨年、公共図書館における障害者サービスに関する調査を実施し、今夏、報告書を公表しました。この調査からは、全国の公共図書館の障害者サービスの水準には、大きな差がある様子が見えてきます。障害者サービスを実施できていない館にとっては、何から取り組むかが課題でしょう。一方、既に実施している館にとっては、さらにサービスを充実させるために何をするかが課題でしょう。
現在、TRCが指定管理、業務委託という形で運営を受託している図書館は、全国で500館を超えます。TRCが運営を受託している図書館を調査すれば、指定管理の公共図書館における障害者サービスの現状が見えてきます。そして、各図書館から読書支援の取り組みを集約し、TRCが指定管理を受託している図書館に水平展開することで、全体としての読書支援の底上げを提案できます。
そこで、TRCは、この500館を対象に、108項目にわたる「JLA障害者差別解消法ガイドラインを活用した図書館サービスのチェックリスト」に解答する形で、障害者サービスの実施状況について実態調査を実施しました。回答は、約300館から得ました。本フォーラムでは、この調査結果を公表します。
まず、川口泰輝が、今回の調査結果を報告します。続いて、TRC指定管理館の館長である大城澄子と野尻佳代から、自館の状況を紹介します。そして、野口武悟氏と宇野和博氏からコメントをいただき、登壇者でディスカッションをします。
本フォーラムでは、地域に密着した公共図書館の読書支援の在り方を問うていきます。目指すは、誰でも読書!!