電子情報環境の発展、また学術コミュニケーションのあり方の変化によって、大学図書館には研究活動への支援、「知」の創出と共有・公開に係る貢献等も求められるようになり、その様相は大きく変わりつつあります。我が国では、それに加えて「グローバル化」に代表される高等教育改革への圧力が大学のみならず図書館にも直接、間接に影響を与えてきました。大学図書館におけるラーニングコモンズの設置はこのような状況下での直接的影響の一例ですが、一方でラーニングコモンズ縮小といった、その動きに対するネガティブな反応も見られるようになっており、「変化=発展」という単純な図式では説明できない状況となっています。
大学図書館を取り巻く状況が厳しくなっているからこそ、大学における図書館機能を環境の変化に即して変革、あるいは強化するという、中・長期的な戦略的思考が今日強く求められています。あわせて、変革すべき点だけではなく、今後も維持していくべき点を含めた、大学図書館としての「ミッション」についても考えていかなければなりません。
本シンポジウムでは、アジア有数の大学における図書館戦略について、それを先導してきたお二人の図書館長から各大学における戦略について講演いただくとともに、他パネリストによる様々な視点のコメントも得ることで、議論を深める企画としたいと考えています。
13:00-15:10 【第1部】講演
15:10-15:30 休憩
15:30-17:00 【第2部】パネルディスカッション