評価指標に役に立つ、統計データとは
大きく変化する社会の中で、新たなサービスに取り組む公共図書館が注目を集めています。一方で、新しいサービスの必要性は認知しつつも、どのサービスが自館にフィットするのか、コストとのバランスはどうか、といったことに確信が持てず、また単純な数字に準拠した運営効率化への圧力の高まりも相まって、ユニークなサービスの導入に踏みきれない図書館が大多数ではないでしょうか。
こうした状況は、既存の資料や貸出・返却などの統計データ以外の、図書館の活動全体を見通した評価指標が、いまだ開発されていないことも大きな一因と考えられます。
本フォーラムでは、図書館や自治体ごとに集計されている各種統計データや、サービスの利用データを大規模・網羅的に収集し、横断分析することによって、それぞれの機能やサービスのベースラインを明らかにしようとしている原田隆史教授の研究グループから、これまでの調査経緯の報告と、そこから見えてきた今後の展望をお話いただきます。
昨年、同タイトルで展開したフォーラム「データで見る図書館」では、指定管理者制度の導入館と非導入館の比較調査からの報告を取り上げましたが、今回はその【第2弾】として、運営主体の如何を問わず、日本の公共図書館すべてに適用可能な図書館評価の指標について考察します。